斎藤 (さいとう あゆむ、1964年〈昭和39年〉12月20日 - 2025年〈令和7年〉6月11日)は、日本の劇作家、演出家、俳優、演劇プロデューサー。北海道釧路市出身。ノックアウト所属。日本演出者協会理事。札幌座チーフディレクター。妻は女優の西田薫。 北海道釧路市に生まれ、父の転勤によって幼少…
30キロバイト (3,176 語) - 2025年6月12日 (木) 05:57

(出典 s.eximg.jp)


北海道演劇における“開拓者”がまたひとり、静かに旅立ちました。映画やアニメで彼の演技を知った人も多いかもしれませんが、本質は「劇場の人」。華やかではないけれど、確かな“言葉の力”で観る人を引き込む舞台人でした。北海道にいながら「東京に行かない」という選択をし続けたその姿勢に、心から敬意を表します。お疲れさまでした。


北海道を拠点に演劇文化の発展に尽力し、多くの映画やテレビ作品にも出演してきた俳優・斎藤歩(さいとう・あゆむ)さんが、2025年6月11日に死去した。60歳だった。近年はがんと闘いながらも舞台への情熱を絶やさず活動を続け、最期まで「表現者」であり続けた姿勢に、北海道内外から追悼の声が集まっている。

■【訃報】――●がん闘病の末、北海道の文化人が静かに旅立つ

斎藤さんの死去は、彼が理事長を務めた「北海道演劇財団」の公式サイトで発表された。以前より病気療養中で、最期は家族に見守られながら静かに息を引き取ったという。葬儀は本人の意向により家族葬で執り行われるが、後日「お別れの会」が開かれる予定だ。

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■【功績】――●北海道の演劇を“文化”として根づかせた第一人者

斎藤さんは1996年、札幌市文化奨励賞を受賞。同年には北海道演劇財団を設立し、以後は理事長・芸術監督として道内の演劇を牽引してきた。札幌をはじめ地方都市でも舞台芸術の可能性を広げ、教育・創作・育成の三軸を実践。北海道の演劇文化を全国レベルへ押し上げた立役者だ。
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■【出演歴】――●映画・ドラマ・アニメでも異彩を放った表現者

北野武監督の『アウトレイジビヨンド』や、スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』、NHK朝ドラ『半分、青い』などにも出演。演技力の高さと独特の存在感で映像作品にも貢献した。特に細田守監督のアニメ映画『サマーウォーズ』では、キーパーソンである陣内侘助の声を演じ、その“低く渋い声”に魅了されたファンも多い。
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■【晩年】――●4年にわたりがんと闘病、舞台から離れなかった日々

2025年2月には、テレビ朝日系『テレメンタリー2025』で闘病生活が報じられ、4年前に見つかった尿道がんが転移していたことを自ら語っていた。入退院を繰り返しながらも舞台の仕事を諦めず、脚本や演出活動を精力的に続けた。病に侵されながらも「表現を届ける」その姿に、多くの視聴者が胸を打たれた。
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■【北海道とともに】――●“ここでやる意味”を最後まで信じて

「東京に行かず、ここでやる意味がある」。斎藤さんが常に語っていたこの言葉は、札幌に生きる表現者の矜持でもあった。劇団員の育成、公演の地道な普及、地域との連携。北海道の寒さと人の温もりを知る彼だからこそ、地域に根ざす演劇の形を提示し続けた。

【補足情報】
・北海道演劇財団 理事長(1996年〜)
・北海道演劇財団 芸術監督(2016年〜)
・出演作:『アウトレイジビヨンド』(2012年)、『沈黙 -サイレンス-』(2016年)、『サマーウォーズ』(2009年・声優)、『半分、青い』(2018年・NHK)など多数

【ネットの声】
「北海道演劇の父と言える存在だった」
「サマーウォーズの侘助の声、ずっと印象に残ってた」
「本当に尊敬してた俳優さん…ありがとう」
「もっと見たかった」
「札幌の演劇が今あるのは斎藤さんのおかげ」

【まとめ】
静かに、しかし確かに北海道という大地に文化の火を灯し続けた斎藤歩さん。その功績は、舞台に生きる人々、観客、そして作品の中に今も息づいている。「北海道からでも世界に届く演劇がある」。その信念を、私たちは決して忘れてはならない。

【出典】
・スポーツ報知(2025/06/12)
・北海道演劇財団公式サイト
・過去作品資料(IMDb, 映画DB等)
・テレメンタリー2025(テレビ朝日)
俳優の斎藤歩さん死去 60歳 がん闘病も公表「サマーウォーズ」「アウトレイジビヨンド」など出演(スポーツ報知) - goo ニュース